ローソク足の方向性を確認したり、トレンドの強弱を測るのに抜群な力を発揮する「チャネルライン」。
チャネルラインはトレーダーの必須アイテムであり、ライントレードの中でも上位を争う重要ラインです。
「ラインを制する者は、トレードを制す」といってもなかば過言ではありません。
では、なぜチャネルラインがそんなに最強なのか?

それはトレンドの出口が見えるからです。
今回はトレード初心者も上級者も必須事項のチャネルラインについて、チャネルラインの定義から引き方、エントリー方法まで満遍なく解説します。
本記事後半ではチャネルラインをMT4でより活かすためのヒントも記していますので、ぜひ最後まで読んでください。
FXのチャネルラインとは


チャネルラインとは、トレンドラインと平立した平行線のことです。
トレンドラインをベースとし、トレンドラインに平行線を入れると、チャネルラインになります。
チャネルラインはトレンドラインをベースとするため、トレンドラインとセットだと覚えてください。
トレンドラインが引けてはじめて出現するので、チャネルライン単体では機能しません。


なお、トレンドラインとチャネルラインの2本の平行線に挟まれた空間を「トレンドチャネル(またはチャネル)」といいます。
「上昇チャネル」であれば、チャネルラインは高値同士を結んだ上側に、「下降チャネル」であれば、チャネルラインは安値同士を結んだ下側に現れます。
トレンドラインとの違い
トレンドラインは、トレンドがいつおわるのかを知るために引くラインです。
トレンドラインを引くことでトレンドのおわりを知ることができますが、チャネルラインを引くことでは、トレンドのクライマックスを知ることができます。
トレンドチャネルを使ったトレンドの終盤を測る順序は、下記になります。
- チャネルラインにローソク足が届かなくなる(空間が埋まらない)
- トレンドラインにローソク足が回帰する(トレンド方向と逆の値動き)
- 直近高安値を割り込む
●チャネルライン ⇒ トレンドのクライマックスを測るライン
●トレンドライン ⇒ トレンドの終了を測るライン
と認識しましょう。
のちほど出てくる「チャネルラインの読み方」で詳しく説明していきます。
チャネルラインの特徴


チャート分析に必須アイテムのチャネルラインには、3つの特徴があります。
下記3つの特徴を満たしていれば、チャネルラインとしての力が大きくなるため、エントリーポイントとしての確度が飛躍的に高まります。
3つの特徴を見てみましょう。
①高安値を更新している
チャネルラインは、トレンド発生中に引くことができるラインです。
これはダウ理論に基づいています。
ダウ理論とは、上昇トレンドにおいて戻り安値が直近安値を下回らず、高値更新を継続しているトレンド発生を現す理論です。
チャネルラインが引けるということはトレンド発生中のシグナルとなるため、ダウ理論が当てはまるトレンド発生局面でのみ活用しましょう。
②長期足ほど力強く作用する
チャートは短期の1分足から長期の月足まで、異なる時間軸で構成されています。
チャネルラインはどの時間軸の足にでも引くことが可能です。
ただ、チャート特性と同様、チャネルラインは長期足であればあるほど、作用する力が強まります。
5分足や15分足のチャネルラインは一時的に有効でも、時間の経過ですぐに形が崩れる可能性が高くなります。
作用するパワーが強くなる4時間足以上のトレンドにチャネルラインを引くのが理想ですが、最低でも1時間足以上の足に引く習慣をつけましょう。
③角度が45度に近いほど力強く作用する
チャネルラインはトレンド相場で見つけられると書きました。
ここでみなさんに質問です。
トレンドの強弱は、どのように見極めますか?



答えは、トレンドの角度です。
トレンド相場は、角度(傾き)が5〜30度と緩やか過ぎる場合、継続力が弱まります。
また、角度が50〜80度と急激過ぎる場合も同じです。


下落トレンドを想像してみましょう。
急激に落ちたローソク足も、しっかりと反発が入ることで新規参入者を呼び込みやすくなり、トレンドの角度が安定します。
結果的にトレンド相場が続きやすくなります。
逆に角度が急過ぎる(緩やか過ぎる)ほどチャネルラインとしての機能は弱くなるため、チャネルラインから外れやすくなります。
- 5~30度 ⇒ 緩やかすぎる
- 30~50度 ⇒ 適切な角度(傾き)のため、安定的にトレンドが継続
- 50~80度 ⇒ 急激すぎる
チャネルラインを引くのにちょうどいい、トレンドが継続しやすい角度を見つけましょう。
チャネルの読み方


ここからは、チャネルがチャート上で引けたときに、チャネルラインが出すメッセージを読み解いてみましょう。
①直近安値の更新(トレンドの継続)
チャネルラインはダウ理論に基づきトレンド発生中のトレンド相場で現れるため、チャネルラインが引けてチャネルが出現したということは、トレンド相場にいると考えましょう。
②チャネルライン未達成(トレンドの出口付近)


トレンドラインとチャネルラインに挟まれたチャネルの中に、空間が出現することがあります。
上記のトレンドの赤丸部分がそうです。
赤丸部分を抜けてチャネルラインまで届かなかった場合、トレンドの勢いが弱まっていることを示します。
チャネルラインに到達せず未達成となった場合、トレンドが終わりに近づいているのだと気づきましょう。
③トレンドライン割れ(トレンドの出口抜け)
チャネルラインに到達せず価格が引き戻り、いよいよトレンドラインを割ってきました。
トレンドラインを割った時点で、上昇トレンドの終了です。
チャネルラインの引き方


ここまでチャネルラインの特徴と読み方について説明してきました。
では実際にチャート上でチャネルラインをどう引けばいいのでしょうか?
引き方を紹介します。
トレンドラインを平行移動する


上昇トレンドのチャートを例にとって見てみましょう。
上昇トレンドの安値同士をつなぎ、トレンドラインを引きます。
安値同士をつないで引いたトレンドラインを高値に平行移動し、高値同士がつながるポイントを探します。
トレンドラインに平行な形で出現したラインが、チャネルラインです。
トレンドラインとチャネルラインに挟まれた空間は、トレンドチャネル(チャネル)と称します。
下落トレンドの場合は、トレンドラインとチャネルラインの位置が反対になります。
下落トレンドでは、トレンドラインが上部に、チャネルラインが下部にきます。
下落トレンドでは、高値同士を結んだ2点と安値1点の計3点があれば、トレンドラインとチャネルラインを引くことができます。
まずは3点のポイントを見つける訓練をしてみましょう。
チャネルラインを使った分析手法


ここからは実際にチャネルラインを使ったチャネルトレードの手法を見ていきましょう。
チャネルラインは時間足が大きければ大きいほど有効だと話しました。
今回は、時間軸を4時間足と1時間足に絞って説明します。
基本的には時間軸が変わっても、チャネルラインを見るポイントは同じです。
トレンドラインでエントリー(順張り)


上昇トレンドを例に話します。
XAU/USDの4時間足です。
チャネル内では、トレンドラインがサポートとなり、チャネルラインがレジスタンスとなります。
安値同士を結んだトレンドラインを起点とし、ふたたびチャネルラインに値が向かうことを想定して、買いエントリーします。
エントリーポイントは、4時間足でトレンドラインにタッチしたトレンドラインの真上です。
- トレンドラインに値が戻ってきたことを4時間足以上の長期足で確認
- 1時間足でトレンドラインを起点とし反発しているのか確認
- 15分足の短期足で反発上昇の値動きを確認後、エントリー
上昇チャネルが機能していると仮定し、利確ポイントはチャネルライン上に設定します。
チャネルラインに値が伸びず、トレンドラインを下回ったら、トレンドラインを下回った時点ですぐに損切りを発動させず、直近安値を下回ったことを確認してから損切りしましょう。
チャネル内にローソク足が収まらず、トレンドラインを下抜けたからといってすぐに損切りをしてしまうと、ダマシに合う可能性が高まります。
チャネルラインでエントリー(逆張り)


こちらは順張りの場面で説明したXAU/USDの日足チャートです。
上昇トレンドが発生している上昇チャネル内でのトレードの場合、高値同士を結んだチャネルラインにタッチした時点で、売りエントリーをします。
トレンドラインでのエントリーは、トレンドの方向性に沿った順張りとなりますが、チャネルラインでのエントリーは逆張りになります。
ですので、ポジションの保有スタイルにもよりますが、4時間足以上でのチャネルでチャネルラインを用いてエントリーすることをおススメします。
5分足、15分足などの短期足では、トレンドが強かった場合に押し目を作らず価格が急騰して戻らずに、チャネルを上抜ける可能性が高くなるため、短期足でのチャネルトレードは控えましょう。
チャネルラインのスライド


チャネルラインは、トレンド発生時のトレンドラインをベースとし、トレンドの終着点を示してくれます。
しかしながら「チャネルラインの読み方」で示したように、チャネルラインに到達せずにチャネルラインの未達成を引き起こし、チャネルの機能が弱まっていく段階が現れます。
その際、事前に引いていたチャネルを消去し、新たなチャネルを作成。チャネルラインをスライドさせていくことができる場合があります。
チャネルの角度がどんどん鈍化していくため、レンジ相場と見なされ、ダマシが多くなるポイントでもあります。
フラッグやウェッジなど、他のチャートパターンと組み合わせて根拠を多くし確度が高くなった場合、チャネル内でのエントリーもできるでしょう。
この手法は損切りラインも浅めに設定する必要があるため、監視通貨の値動きをパターン化できているプロ向きだ程度に認識しておいてください。
チャネルラインの注意点


チャネルラインはライントレードを行う上で上位を争う重要ラインですが、シンプルな分、注意点も存在します。
2点の注意点を見てみましょう。
①ヒゲの扱いをどうするか
チャート上にラインを引く際に誰もが突き当たる壁が、「ヒゲの扱いをどうするか」ではないでしょうか?
その答えは、監視通貨の特性と状況ごとに異なります。
ヒゲ先をチャネル内に収めた方がきれいにチャネルラインが引ける場合は、高値(安値)ポイントにヒゲを含めましょう。
反対に、ヒゲ先をチャネル内に収めた場合、チャネルラインに届かないポイントが出てしまう場合は、価格のオーバーシュートとみなし、ヒゲ部分をチャネルラインに入れずに扱いましょう。
チャネルライン・トレンドラインはその時々の状況を柔軟に判断し、ラインの引き方も臨機応変に対応していくことが大切です。
ポイントとして、チャネルラインに少しでも多く接点が持てる位置を探すことが重要です。
②ダマシではないか
チャネルラインは上昇トレンドの場合、レジスタンスとして機能し、下落トレンドの場合はサポートとして役割を果たします。
注意したいのは、チャネルラインを引いたということはトレンドの終点部分を予測している状態だということです。
トレンドが強い場合、チャネルラインで値が止まらずチャネルラインを出るような値動きとなります。
チャネルラインから逸脱した場合、「ダマシになってまた値が戻ってくるだろう」と安心せず、トレンドが急伸する可能性を考慮し、チャネルラインから逸脱した時点で、早めにロスカットを発動させることが大切です。
その際、ローソク足の値動きを見て、トレンドの強弱を測ることを忘れずに行いましょう。
チャネルラインと相性のいいインジケーター


トレンド相場で発生するチャネルラインにも、相性のいいインジケーターが存在します。
チャネルラインはトレンドの終わりを測るのに最適なため、トレンドの終焉の合図を示してくれるRSIとの相性が抜群です。


上昇チャネルにローソク足が達したと同時に、RSIが「買われ過ぎ」を示す70へと到達しました。
その後トレンドラインを下抜け、上昇トレンドは終了しました。
チャネルラインとRSIを組み合わせて、トレンドの出口を探してみましょう。


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まとめ


チャート分析で基本中のキホンであるチャネルラインについて解説しました。
「ラインを制する者は、トレードを制す」の格言通り、トレンドライン・チャネルラインをチャートの上位足に引けるようになれば、トレンドの強弱とトレンドの終わりがわかるようになります。
トレンドの終わりがわかるようになれば、エントリーポイントの精査もできるようになります。
チャネルラインをしっかりと活かし、トレンドの持続性を見極めて自分の手法に落とし込み、ライントレードを確立しましょう!
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