自民、公明両党は12月5日、税制調査会を開き、各省庁の税制改正要望を査定しました。日本経済新聞によると、2024年度の与党税制改正大綱において企業に対する暗号資産の課税を見直し、法人が短期売買の目的以外で継続的に保有する暗号資産(他社発行のトークン)について、期末での時価評価課税の対象から外す方向で調整しているとのことです。
現行の制度では、企業が他社発行のトークンを暗号資産を保有していると、期末の時価評価に基づいて課税されます(なお、自社発行のトークンについては期末での時価評価課税の対象になりません)。そのため、暗号資産業界関係者は、企業の暗号資産に対する投資意欲を低下させ、海外への流出を招く恐れがあると指摘しています。
今回の調整内容は、10月に一般社団法人新経済連盟(新経連)が政府に提出した2024年度税制改正提言の一部です。

新経連は以下の提言を行いました。
- 法人が保有する他社発行のトークンを期末での時価評価課税の対象から外すこと
- 暗号資産取引による利益を申告分離課税の対象にすること
- デリバティブ取引も同様に申告分離課税の対象とすること
- 保有する暗号資産を法定通貨に交換する際に一括で課税を実施すること
もしも法人が保有する他社発行のトークンを期末での時価評価課税の対象から外すことが実現されれば、新経連のその他提言も実現される可能性があります。特に暗号資産取引による利益を申告分離課税の対象にすることが実現されれば、暗号資産取引に関する税金を抑えることができます。そのため、暗号資産投資家にとってはぜひとも実現して欲しいと要望と言えます。
なお、国内FXの税金は元々は暗号資産と同じく総合課税の雑所得でしたが、2012年1月以降、申告分離課税となりました。そのため、暗号資産取引も申告分離課税になる可能性は十分にあるのではないでしょうか。
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