2024年6月13日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロドルが反落し、終値は1.0737ドルとなりました。この動きは、米労働省が発表した5月の米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことによるもので、ユーロ買い・ドル売りが先行しました。特に21時30分過ぎには、一時1.0816ドルという日通し高値に達しました。
しかし、ユーロ・ストックス50指数が2%近く下落するなど、欧州株相場の軟調さが影響し、リスクオフの動きが強まりました。これにより、ユーロ売り・ドル買いが優勢となり、欧州の政治的不安もユーロ売りを促す要因となりました。結果として、ユーロは2時前に一時1.0733ドルという日通し安値を更新しました。ユーロはドル以外の通貨に対しても軟調で、ユーロ豪ドル、ユーロNZドル、ユーロポンド、ユーロカナダドル、ユーロスイスフランといった通貨ペアでも値を下げました。
一方で、ドル円は反発し、終値は157.03円となり、前営業日のNY終値156.72円から31銭のドル高水準を示しました。これは、前日の5月米消費者物価指数(CPI)に続き、この日の米PPIが予想を下回ったことから、円買い・ドル売りが先行したためです。21時30分過ぎには、一時156.59円という日通し安値に達しましたが、その後は157.27円付近まで買い戻される場面も見られました。しかし、ユーロ円を中心にクロス円が下落すると、ドル円にも売りが出て156.70円付近まで下押ししました。最終的には、引けにかけてじり高となり、157円台前半まで持ち直しました。
ユーロ円も反落し、終値は168.61円となり、前営業日のNY終値169.41円から80銭のユーロ安水準を示しました。欧州の政治的不安を背景にユーロ全面安となり、一時168.28円という日通し安値を更新しました。また、欧州株安に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りも入りました。
本日の東京為替見通しは、ドル円は日銀金融政策決定会合の結果を見極める展開となると予想。日銀金融政策決定会合では、政策金利(無担保コールレート)の据え置きや追加利上げ、国債買い入れの規模変更などが議論されることになります。タカ派的なシナリオでは、追加利上げと国債買い入れオペの減額が予想され、ドル円は155円以下への下落が予想されます。一方、ハト派的なシナリオでは、金融政策の現状維持が予想され、ドル円は158円以上への上昇が予想されますが、本邦通貨当局による介入の可能性に警戒が必要です。
過去の日銀金融政策決定会合では、黒田日銀総裁(当時)が金利引き上げを否定し、ドル円が145円台に上昇した際には、本邦通貨当局が介入を行いました。また、2024年4月の会合後には、植田日銀総裁が円安についてコメントし、ドル円が160円台まで上昇した際にも介入が行われました。
今後の市場では、日銀の金融政策の動向や、国内外の経済指標、政治的な不安定さなどが為替レートに影響を与える要因となります。投資家やトレーダーは、これらの要因を注視し、適切なリスク管理を行うことが重要です。市場の変動には常に不確実性が伴いますが、情報を正しく理解し、分析することで、より良い投資判断を下すことができるでしょう。
ドル円は現在157円台で推移しています。
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