ECBが金利を引き下げた背景には、インフレ率がECBの目標である2%に近づいている一方で、ユーロ圏経済が低迷していることがあります。インフレ率は2024年には平均2.4%、2025年には2.1%と予測されており、中期的な目標である2%に向けて順調に進んでいます。一方、EU域内の経済成長は依然として脆弱であり、特にドイツやフランスの政治的不安定や米国との貿易摩擦リスクが影響しています。
なお、これまでの声明にあった「十分に制約的な政策を維持する」との文言を削除し、今後もデータに基づいた柔軟な金融政策を継続する姿勢が示されました。これにより、市場ではさらなる利下げが予想されています。特に来年1月の理事会でも追加利下げが決定される可能性があるとの見方があります。
ECBは、必要に応じてすべての政策手段を調整し、中期的なインフレ目標を達成することを目指しています。ラガルド総裁は記者会見で、ディスインフレプロセスが順調に進んでいることを強調しつつも、成長への下振れリスクが依然として存在することを指摘しました。
ECBの0.25%利下げを受け、ユーロ円相場は一時159.10円、ユーロドル相場は1.0464ドルまで下落しました。なお、市場では織り込み済みであったため、下落は限定的でした。現在、ユーロ円相場は1ユーロ160円台前半、ユーロドル相場は1ユーロ1.04ドル中盤で推移しています。
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