日本銀行は12月24日、10月30-31日に開催された金融政策決定会合の議事要旨を公表しました。まとめると、以下の通りです。
金融政策運営については、複数の政策委員から、「国内外の不確実性の高まりを踏まえ、金融政策をより慎重に運営していく必要がある」との意見が出されました。特に、「日本が過去30年間で0.5%を上回る政策金利を経験していないため、金利のある世界への移行には相応の不確実性がある」との指摘がありました。
また、米国トランプ新政権については、複数の委員から、「米国の新政権の政策運営が金融資本市場の変動を通じて日本の物価の上振れリスクとなる可能性がある」と指摘されました。また、「大統領選挙後の状況を含め、今後の展開を見極める必要がある」との意見も出されました。
賃金・物価動向については、何人かの委員が、「来年の春闘における賃上げ率は高い水準が続くと見込まれる」と指摘しました。また、人手不足を背景に、中小企業も含めて賃上げの必要性が当然視される状況になっているとの認識が示されました。
今後の政策判断については、「2025年度後半に1%まで段階的に利上げしていく場合、経済・物価の進捗を見守る時間がある」との意見が出されました。この他、これまでの利上げの経済・物価への影響を見極める必要性も指摘されました。
為替動向への警戒については、日米の金融政策の方向性が逆となる中で、為替を中心に市場が大きく変動する可能性への警戒感も示されました。特に、日本銀行の利上げを契機にショックが生じた場合、長期的な金融緩和の調整に支障が生じる可能性があるとの指摘がありました。
なお、12月18日~19日に開催された金融政策決定会合では、2025年春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するため、もう1ノッチの情報が必要、トランプ次期大統領就任に伴う経済政策、特に追加関税政策の影響を見極める必要性の2つの要因で金利が据え置かれ、利上げは来年3月以降になると見込まれています。

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