就任演説では、「アメリカの黄金時代が今始まる」と宣言し、国家の繁栄と世界からの尊敬を取り戻すことを約束しました。
そして、南部国境での非常事態宣言、エネルギー政策の転換、外国歳入庁の設立などを掲げました。

さらに、トランプ大統領は就任初日から大統領令に次々と署名しています。
例えば、
- パリ協定からの再離脱
- 2021年の連邦議会襲撃事件で有罪とされた約1600人への恩赦
- 連邦政府の新規採用停止
- 連邦職員のリモート勤務廃止
- 米国で生まれた子供に自動的に国籍を与える出生地主義制度の見直し
中でも注目を集めたのが世界保健機関(WHO)からの脱退です。
この記事では、トランプ大統領が大統領令でWHO脱退を表明した背景や理由、国内外への影響、トランプ政権の今後の課題を詳しく解説します。
WHOとは?

世界保健機関(WHO: World Health Organization)は、1948年4月7日に設立された国際連合の専門機関であり、全ての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的としています。
本部はスイスのジュネーブに位置し、現在194の加盟国が参加しています。
設立の背景と目的
WHOは、第二次世界大戦後に国際的な保健協力を強化する必要性が高まった中で設立されました。
その基本理念は「健康とは、病気や虚弱がない状態だけではなく、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態である」と定義されており、この理念は現在もWHO憲章の前文に掲げられています。
また、すべての人が人種や宗教、経済的条件に関係なく健康を享受する権利を持つとされています
組織構造
WHOは以下の組織構造となっています。
- 世界保健総会:WHOの最高意思決定機関であり、全加盟国が参加して毎年5月に開催されます。ここでは予算や事業計画が決定されます。
- 執行理事会:34名の技術専門家で構成され、総会で決定された政策の実施を監督します8。
- 地域事務局:世界を6つの地域(アフリカ、アメリカ、南東アジア、ヨーロッパ、東地中海、西太平洋)に分け、それぞれ地域ごとの健康課題に対応しています。
主な活動
WHOは幅広い分野で活動しています。
その代表的な取り組みには以下です。
- 感染症対策:WHOは天然痘根絶(1980年)やエボラ出血熱、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などへの対応で重要な役割を果たしてきました。また、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)の宣言を通じて各国間の協力を促進しています。
- 非感染性疾患への対応:高血圧や肥満、がんなど生活習慣病への対策として国際的なガイドラインを策定し、予防や治療方法を普及させています。
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進:SDGs(持続可能な開発目標)の一環として「誰もが必要な時に適切な医療を受けられる」仕組み作りを目指しています。
- 研究と基準設定:医薬品やワクチン、安全な食品などに関する国際基準を策定し、公衆衛生分野の研究を推進しています。
- 健康教育と情報提供:各国政府や一般市民向けに健康情報や政策提言を提供し、「インフォデミック」(誤情報の拡散)対策にも注力しています。
課題と今後の展望
現在、WHOはいくつかの課題に直面しています。
1つ目は資金不足です。
加盟国からの拠出金だけでは十分ではなく、多くのプロジェクトが任意寄付金に依存しています。
2つ目は政治的影響です。
特定国家からの影響力排除と独立性確保が求められています。
3つ目はグローバルヘルスガバナンスです。
パンデミック条約など新たな法的枠組み作りが進行中です。
これらの課題解決には加盟国間の協力強化と透明性向上が不可欠です。
今後もWHOはグローバルヘルスリーダーとして、公衆衛生上の危機管理や健康格差是正に向けた取り組みを続けることが期待されています。
トランプ大統領がWHO脱退の大統領令に署名した理由

トランプ大統領は以下の理由でWHO脱退の大統領令に署名しました。
1. 新型コロナウイルスへの対応に対する批判
トランプ大統領は、WHOが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック初期における対応を誤ったと強く非難しています。
具体的には以下の通りです。
- 中国寄りの姿勢:WHOが中国政府の影響を受け、新型コロナウイルスの発生源や感染拡大に関する情報を十分に精査せず、初動対応が遅れたと批判しました。
- 緊急事態宣言の遅延:WHOは2020年1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しましたが、トランプ大統領はこれが遅すぎたと主張しています。
- 透明性の欠如:WHOが中国からのデータ共有や透明性確保を十分に求めなかったことが、パンデミック拡大の一因であると指摘されています。
2. アメリカへの不公平な財政負担
トランプ大統領はアメリカがWHOに対して過剰な財政負担を強いられていると主張しています。
アメリカはWHO最大の資金拠出国であり、2022年から2023年には約12億8400万ドルを拠出しました。
これは第2位のドイツを大きく上回る額です。
一方で、中国など他国は比較的少額しか拠出しておらず、この不均衡がアメリカにとって「不公平」であると述べています。
トランプ大統領はアメリカ・ファーストの観点から、このような状況を容認できないとし、資金拠出の停止や脱退を通じて改革を促す意図があるとしています。
3. WHOの構造的問題
トランプ氏はWHO自体のガバナンスや独立性にも疑問を呈しています。
まず、政治的干渉について、WHOが加盟国(特に中国)の政治的影響下にあり、中立性を欠いていると批判しました。
次に、第一次トランプ政権下の2020年にもWHO脱退手続きが進められましたが、その際に求めた「抜本的な改革」が実現しなかったことも理由として挙げています。
トランプ大統領によるWHO脱退表明は、新型コロナウイルス対応への不満や財政負担問題、アメリカ・ファーストに基づく政策転換として位置づけられます。
トランプ大統領が署名したWHO脱退の大統領令の内容

トランプ大統領が署名したWHO脱退に関する大統領令の内容をまとめました。
①WHO脱退手続きの開始
トランプ大統領は、アメリカがWHOから正式に脱退するための手続きを開始することを指示しました。
なお、脱退には1年間の猶予期間が設けられ、この間に国連事務総長およびWHO事務局長に通知が行われます
②資金拠出の停止
アメリカ政府はWHOへのすべての財政的支援を即時停止します。
これには、WHOが依存している年間予算の約18%(2024-2025年予算で約6.8億ドル)に相当する拠出金が含まれます。
③政府職員と契約者の再配置
WHOで活動しているアメリカ政府職員や契約者は全員召還され、他の任務に再配置されます。
④代替パートナーの模索
WHOが担っていた役割を引き継ぐために、信頼性と透明性のある国内外のパートナーを特定し、それらと協力することを命じました。
⑤パンデミック条約交渉からの撤退
WHO加盟国間で進行中だったパンデミック条約および国際保健規則(IHR)の改正交渉からアメリカは即時撤退します。
これらの条約や改正案に基づくいかなる義務もアメリカには適用されないと明記されています。
⑥2024年版グローバルヘルスセキュリティ戦略の見直し
バイデン政権下で策定された「2024年版グローバルヘルスセキュリティ戦略」を撤回し、新たな戦略を策定するよう指示されました。
アメリカのWHO脱退は1年間の猶予があります。
猶予期間中に、この決定がどのような形で実行されるか、またその影響がどこまで広がるかについて注目されます。
第1次トランプ政権と第2次トランプ政権との比較

トランプ大統領は第1次政権の2020年にもWHO脱退を表明した。
第1次トランプ政権と第2次トランプ政権におけるWHO脱退表明を比較しました。
第1次トランプ政権時(2020年)のWHO脱退表明
トランプ大統領は2020年にWHO脱退を表明した理由は3つあります。
- WHOが中国政府に対して過度に依存しているとの批判
- パンデミック初期段階での緊急事態宣言や情報共有の遅れ
- アメリカへの過剰な財政負担
これらの理由で、2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中、トランプ大統領はWHOの初動対応が遅れを厳しく批判しました。
そして、5月に改革要求を提示し、30日以内に改善が見られない場合は関係を断つと警告し、同年7月には正式に脱退手続きを開始しました。
しかし、2020年11月の大統領選挙でジョー・バイデン氏が当選したため、トランプ氏による脱退手続きは完了せず、バイデン政権下で撤回されました。
第2次トランプ政権でのWHO脱退の理由、大統領令の内容は、すでに説明した通りです。
第1次トランプ政権と第2次トランプ政権との共通点
WHO脱退に関して、第1次トランプ政権と第2次トランプ政権では、以下の共通点があります。
新型コロナウイルス対応への批判
両政権時とも、トランプ氏はWHOが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに対する対応を誤ったと強く非難しました。
特に以下の点が共通して挙げられています。
- 中国寄りの姿勢:WHOが中国政府からの影響を受け、新型コロナウイルス発生源や初期対応において透明性を欠いたと主張しています。
- 改革要求の失敗:トランプ氏はWHOに抜本的な改革を求めましたが、それが実現しなかったことを理由に挙げています。
アメリカ・ファースト
トランプ氏は一貫してアメリカ・ファーストを掲げ、WHOへの多額の資金拠出がアメリカにとって不公平であると主張しました。
アメリカが最大の資金拠出国であるにもかかわらず、他国(特に中国)の負担が少ないことへの不満が両時期で強調されています。
脱退手続き
どちらの場合も、WHO脱退には国連事務総長への通知と1年間の猶予期間が必要であり、トランプ氏はこの手続きを開始する意向を示しました。
第1次トランプ政権と第2次トランプ政権との違い
WHO脱退における第1次トランプ政権と第2次トランプ政権との違いを以下の表にまとめました。
第1次トランプ政権 | 第2次トランプ政権 | |
背景 | 新型コロナウイルスパンデミック初動対応 | 前政権(バイデン政権)政策への反発 |
実施手順 | 国連事務総長へ通知し手続き開始 | 就任初日に大統領令署名 |
批判内容 | 中国寄り対応、不十分な緊急対応 | 改革失敗、不公平な財政負担 |
トランプ大統領によるWHO脱退表明は、第1次政権時と第2次政権時で共通する要素と異なる要素があります。
どちらの場合も、新型コロナウイルス対応や財政負担問題への不満が中心です。
今回のWHO脱退は、より迅速かつ包括的な政策転換として実施されており、アメリカ・ファーストをさらに徹底する姿勢が見られます。
アメリカがWHOを脱退した場合の影響

アメリカがWHOを脱退した場合、米国内と国際社会でどのような影響があるのかを解説します。
アメリカ国内への影響
WHOを脱退した場合、アメリカ国内へは以下の影響が考えられます。
公衆衛生政策への影響
- 感染症対応の遅延:WHOが提供する感染症に関する早期警戒システムやデータ共有にアクセスできなくなることで、新たな感染症流行への対応が遅れる懸念があります。
- ワクチン供給への影響:WHOが主導するグローバルなワクチン配布プログラム(COVAXなど)への参加が制限されるため、パンデミック時のワクチン供給が不安定になる可能性があります。
国民の健康リスク増加
WHOによるガイドラインや技術支援がなくなることで、国内の公衆衛生政策が弱体化する可能性があります。
特に低所得層や医療資源が不足している地域では、感染症予防や治療へのアクセスがさらに困難になる恐れがあります。
科学研究と医療開発への影響
WHOは医薬品や治療法の研究開発における国際協力を推進しています。
アメリカがこの枠組みから離脱することで、以下のような影響が考えられます。
- 研究データ共有の制限:WHOを通じて得られる国際的な研究データへのアクセスが制限される可能性があります。
- 新薬開発の遅延:グローバルな協力体制から外れることで、新薬や治療法の開発スピードが低下するリスクがあります。
国際的リーダーシップ喪失
アメリカはこれまでWHO最大の資金拠出国として、国際保健政策で重要な役割を果たしてきました。
脱退によってリーダーシップを放棄することになり、アメリカの国際的地位が低下する可能性があります。
国際社会への影響
アメリカがWHOを脱退した場合、国外へは以下の影響が考えられます。
WHO運営への深刻な打撃
アメリカはWHO最大の資金提供国であり、その脱退はWHO運営に直接的な影響を及ぼします。
アメリカからの資金拠出停止により、WHO予算全体の約15~20%(2023年時点で約6.8億ドル)が失われ、予算が削減されます。
資金不足は以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 感染症監視システムや緊急対応能力の縮小。
- 発展途上国向け医療支援プログラム(HIV/AIDS対策やマラリア撲滅など)の停止または縮小。
グローバルヘルスガバナンスの弱体化
アメリカ不在によって、グローバルヘルス分野で以下のような問題が生じる可能性があります。
- 協調体制の崩壊:アメリカが抜けることで、各国間で連携を取るための調整役が欠けることになります。これにより、パンデミック時の迅速な対応能力が低下する恐れがあります。
- 中国など他国の影響力増大:アメリカ不在を埋める形で、中国やロシアなど他国がWHO内で影響力を強める可能性があります。ただし、中国主導では透明性や公平性に疑問が残るとの懸念もあります
発展途上国への悪影響
アフリカや南アジアなど医療資源が乏しい地域では、WHOによる支援が生命線となっています。
アメリカのWHO脱退によって、ワクチン供給や治療薬配布プログラムの停滞、感染症対策プログラム(例:結核やポリオ根絶計画)の縮小または中断などが発生する可能性があります。
国際協力体制への波及効果
アメリカ脱退によって他国にも負担増加が求められるため、以下のような波及効果が懸念されます。
- EU諸国や日本など他先進国による追加拠出金負担。
- 資金不足による新規プロジェクト停止および既存プログラム縮小。
長期的影響と課題
アメリカがWHOから脱退した場合、以下の長期的な影響と課題があります。
アメリカ国内外で孤立化
パンデミックなど世界規模で対応すべき課題において、アメリカは孤立化するリスクがあります。
特に感染症対策では情報共有と協力体制が不可欠であり、それらから外れることは自国民にも悪影響を及ぼします
WHO改革への道筋喪失
トランプ政権はWHO改革を求めていますが、脱退によって改革プロセスへの関与自体が困難になります。
これにより、長期的にはグローバルヘルスガバナンス全体に悪影響を与える可能性があります
まとめると、アメリカのWHO脱退は、公衆衛生政策だけでなく国際協力体制全般に深刻な影響を与える決定です。
米国内では感染症対策能力や医薬品供給体制への悪影響、国外ではWHO運営能力低下や発展途上国支援縮小など、多岐にわたる問題を引き起こす可能性があります。
この決定は短期的にはアメリカ・ファーストに基づくものですが、その代償として長期的にはアメリカ自身も含めた世界全体で健康危機管理能力が低下するリスクを伴います。
WHO脱退後の課題に対する解決策

アメリカがWHOを脱退した場合の課題に対する解決策をまとめました。
アメリカ国内の課題への解決策
1つ目は、感染症対応能力の強化です。
WHO脱退によって、感染症監視システムや国際的なデータ共有ネットワークへのアクセスが制限される可能性があります。
この影響を最小限に抑えるため、以下の対策が必要です。
- CDC(疾病対策センター)の役割強化:国内外での感染症監視能力を増強し、独自の早期警戒システムを構築します。
- 地域および州レベルでの連携強化:各州や地域で感染症拡大を迅速に検知し対応できる体制を整備します。
- 国際パートナーとの協力:WHO以外の国際機関(例:Gavi、グローバルファンド)や同盟国とのデータ共有協定を締結し、情報不足を補います。
2つ目は、ワクチン供給と医薬品開発です。
WHO脱退により、ワクチン供給プログラム(COVAXなど)への参加が制限される可能性があります。
これに対応するため、以下の解決策が考えられます。
- 国内生産能力の向上:ワクチンや医薬品の国内生産拠点を増設し、供給チェーンを強化する。
- 民間企業との連携:製薬企業と協力して、パンデミック時に迅速な製造・供給が可能な枠組みを構築する。
- 国際共同研究への参加:WHO以外の枠組みで行われるワクチン開発や医薬品研究に積極的に参加する。
3つ目は、公衆衛生政策の再構築です。
WHOから提供されていたガイドラインや技術支援が失われるため、国内で独自の基準を設定する必要があります。
例えば、国内外の公衆衛生専門家を集めた委員会を設立し、独自のガイドライン策定を行うことが考えられます。
また、国民向けに感染症予防や健康管理についての教育キャンペーンを実施し、公衆衛生意識を高める必要があります。
国際社会の課題への解決策
1つ目は、グローバルヘルスガバナンスへの代替的関与です。
WHO脱退によって国際保健分野でのアメリカの影響力が低下することが懸念されます。
これに対応するため、以下の解決策が考えられます。
- 新たな国際枠組み構築:同盟国(日本、EU諸国など)と協力して、新たなグローバルヘルス協力体制を構築します。
- 地域レベルでの協力推進:北米やアジア太平洋地域など特定地域内で保健協力体制を強化し、地域レベルでのパンデミック対応能力を向上させます。
2つ目は、資金拠出と影響力維持です。
WHOへの資金拠出停止は途上国支援プログラムに影響を与える可能性があります。
これに代わる仕組みとして、以下が考えられます。
- 二国間援助プログラム:途上国への直接支援プログラム(医療設備提供、人材育成など)を拡充します。
- 民間セクターとの連携:ビル&メリンダ・ゲイツ財団など民間組織と連携し、資金不足を補う形で支援活動を継続します。
3つ目は、中国など他国の台頭への対応です。
アメリカ不在時には、中国など他国がWHO内で影響力を強める可能性があります。
この状況に対抗するためには、以下の対策が考えられます。
- 自由民主主義諸国との連携強化:日本やEU諸国と連携し、公衆衛生分野で透明性と公平性を重視した枠組み作りを推進します。。
- 途上国支援でリーダーシップ発揮: 医療技術移転や人材育成プログラムなどで途上国支援に積極的に関与し、中国主導の影響力拡大を抑えます。
長期的視点での改革と備え
1つ目は、国内保健システム改革です。
長期的には米国内保健システム全体の強化が必要です。
具体的には以下の通りです。
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進:全てのアメリカ市民が適切な医療サービスにアクセスできる仕組み作りを行います。
- デジタル技術活用:疾病監視システムや医療データ管理にAIやビッグデータ分析技術を導入し、効率化と精度向上を図ります。
2つ目は、国際法的枠組みへの再参加検討です。
将来的にはWHO改革後に再加盟する可能性も視野に入れるべきです。
例えば、WHO改革交渉への間接的関与(同盟国経由)、改革後の透明性確保や公平性向上が確認された場合の再加盟検討などが考えられます。
まとめると、アメリカがWHOから脱退した後も、公衆衛生分野でリーダーシップを維持しつつ、自国および世界全体の健康危機管理能力を強化することが求められます。
そのためには国内外で新たな協力体制や政策枠組みを構築するとともに、長期的な視点で保健システム全体の改革と備えを進める必要があります。
これら一連の取り組みによって、アメリカはグローバルヘルス分野で引き続き重要な役割を果たすことが可能になるでしょう。
トランプ大統領のWHO脱退に関する大統領令まとめ
トランプ大統領が1月20日に就任しました。
彼は就任初日に多くの大統領令に署名しました。
その中で、特に注目されるのがWHO脱退です。
WHO脱退を表明した背景には、WHOの新型コロナウイルスへの対応に対する批判、アメリカへの不公平な財政負担、WHOの構造的問題があります。
アメリカがWHOから脱退した場合、国内外に大きな影響があります。
なお、アメリカがWHOを脱退するには1年間の猶予があります。
猶予期間中に課題が解決し脱退しないのか、それとも脱退するのか、今後も注目されます。