金融政策決定会合の会見で、植田総裁は利上げ見送りについて、2つの要因を重視したことを説明しました。1つ目は賃金動向の確認で、2025年春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するため、「もう1ノッチ」の情報が必要との判断を示しました。2つ目は米国経済の不確実性で、2025年1月のトランプ次期大統領就任に伴う経済政策、特に追加関税政策の影響を見極める必要性を指摘しました。
なお、今回の利上げ見送り判断は、前日の米連邦準備制度理事会(FRB)のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げを決定の影響を受けた可能性があります。日米の政策金利が逆方向に動くことによる市場への影響を警戒した形跡が見られます。

市場では植田総裁の発言がハト派と受け止められ、また「来年の春闘の情報が必要」という発言から利上げは来年3月以降まで先送りされるとの見方が強まりました。
その結果、ドル円相場では円が売られ、円安が加速しま、157円台を超えました。これは2024年7月以来、約5ヶ月ぶりの円安水準です。ドル円相場は現在、1ドル157円後半で推移しています。
免責事項
トレードの際は自身の投資経験、目標、財務状況、リスクを取る能力等について十分検討する必要があります。
本記事はあくまでも情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
また、本記事を参考して投資した結果被った損失について、弊社は一切の責任を負いかねます。