英ポンド急落!英国債利回り急上昇と財政懸念が背景に…

1月9日、英ポンドが急落しました。ポンドドル相場は一時1.2239ドルまで下落し、2023年11月以来の安値を更新しました。

下落の原因として、英国債利回りの急上昇財政懸念があります。

英国債利回りの急上昇については、英国の10年国債利回りは4.9%まで上昇し、2008年以来の高水準を記録しました。30年債利回りも1998年以来の高水準に達しました。これは、英国の財政見通しへの不安が高まっていることを示唆しています。英国債券の利回り急上昇の理由としては、インフレ上昇への懸念や金利低下見通しの減退、トランプ次期米大統領の外交および経済政策に関する不確実性などが挙げられます。

財政懸念については、スターマー政権が発表した予算案により、公共サービス立て直しのための予算が増額される見込みとなっています、国債発行への依存度が高まることで、2025年度の予算総額は2024年度比で拡大する見通しとなり、これが英金利の上昇圧力となりました。

さらに、ポンド高を見込んでいたヘッジファンドを中心とした投資家がポジション解消させたため、下落を加速させたことも英ポンドの急落に拍車をかけました。

イングランド銀行のブリーデン副総裁は、「利下げは最近の指標によって裏付けられているものの、実施のペースについては慎重な判断が必要だ」と述べています。

今回の英ポンドの急落は、2022年のトラス・ショックを想起させる展開となっており、ウェルズ・ファーゴやドイツ銀行などの金融機関は、ポンドにはさらなる下落余地があるとの見方を示しています。

一方、市場専門家の中には、英国債市場の混乱は一時的なものであり、これ以上のポンド下落は限定的との見方も出ています。ただし、インフレ懸念と財政への不安は短期的な解決が難しい問題として残されています。

現在、ポンドドル相場は1ポンド1.22ドル台後半から1.23ドル第前半で推移しています。

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