FXを始めたけど、なかなか勝てない
ポジポジ病が治らない
FXでトレードしている人の中にはこのような悩みを抱えてないでしょうか?
実はこれらの悩みはトレード日記を書くことで解決されるかもしれません。
トレード日記とは自分のトレード内容を詳細に記録した日記のことで、多くのプロトレーダーが実践している習慣の一つです。
そこでこの記事では以下の3つについて解説していきます。
- トレード日記を書くことのメリット
- トレード日記の書き方
- トレード日記をつける際の注意点
この記事を読めばトレード日誌の目的と重要性を理解し、勝ち組のトレーダーに一歩近づくことができます。
トレード日記を書くことの2つの大きなメリット

多くのプロトレーダーはトレード日記を書くことが、トレードで勝率を上げる鍵だと理解しています。
では、トレード日記を書くことのメリットとは何なのでしょうか?
トレード日記を書くことのメリットは2つ挙げることができます。
- ポジポジ病を克服できる
- トレードでのミスを減らすことができる
ここでは2つの大きなメリットをそれぞれ解説していきます。
メリット①:ポジポジ病を克服できる
トレード日記を書くことでポジポジ病を克服することができます。
なぜならトレード日記を書く習慣ができていれば、ポジションを持つ前にトレード日記を書く作業が生まれるため、冷静さを取り戻すことができるからです。
多くのトレーダーはポジポジ病に悩まされています。
ポジポジ病とは、ポジションを持っていないことに焦りを覚えてしまい、つい無計画なトレードをしてしまうトレーダーの心理を言い表した造語です。
トレードで負けが続くと機会損失を恐れるあまり、使ったことのないテクニカル分析を使うなどして無理やりエントリーの機会を作り出そうとします。
当然、計画性のないトレードで勝てるほど相場は簡単ではないので、余計に損失を出してしまうという結果に終わるのが勝てないトレーダーの典型的な例です。
たまたま利益が出せたとしても、そのようなトレードを繰り返した先にあるのは大きな損失です。
トレード日記を書くことによって、自分が仕掛けようとしているトレードを客観的に見つめ直すことができ、無駄な損失を防ぐことができます。
メリット②:トレードでのミスを減らすことができる
トレード日記を書くことによってトレードでのミスを減らすことができます。
なぜなら、トレード日記を書き続けることで自分が頻繁に犯すミスを統計的なデータとして集めることができ、ミス克服への対策を講じることができるからです。
トレードをしているとこのようなミスをしてしまうことはありませんか?
- 誤ったロットのポジションを持ってしまった
- 誤った通貨ペアのポジションを持ってしまった
- 売り買いの方向を間違えてしまった
トレード日記を書き溜めていくと、これらのミスは1回や2回だけではなく複数回犯していることに気づくかもしれません。
またトレード日記を分析している中で、自分が勝ちやすい時間帯や通貨ペアを発見できる可能性もあります。
このように、トレード日記は長い期間書き溜めていくことによって、自分専用のトレード指南書になり得るのです。
トレード日記の書き方
ここでは実際にトレード日記の書き方について解説していきます。
トレード日記の構成や書き方は人それぞれですが、以下の要素が含まれていれば立派なトレード日記と言えるでしょう。
- トレード日時
- 通貨ペア
- ロット(取引数量)
- トレード方向
- エントリーポイント
- エントリー根拠と心情
- 利確と損切りの位置
- トレードの反省
- チャートの写真
ここではそれぞれの要素を5つのブロックに区切って説明していきます。
ブロック①:トレード日時、通貨ペア、ロット(取引数量)、トレード方向
トレード日時に関しては何月何日何時何分までつけましょう。
FXでは1日を通して様々な市場が展開されます。
それぞれの市場は夏時間か冬時間かによって開場時刻と閉場時刻が異なるため、どの日時にトレードしたかはとても重要な要素になってきます。

また、どの通貨ペアを売り買いしたのかもトレード日記には必ず含めましょう。
なぜならトレード日記を取り続けることによって、自分の手法と一番マッチする通貨ペアや、自分がロングとショートのどちらの成績が良いのかなどの貴重なデータが取れる可能性が高いからです。
プロトレーダーの中にも、単一の通貨ペアしか扱わない人やロングかショートのどちらかしか行わない人も存在します。
ただし、十分なトレード回数を重ねる前に結論を出してしまうと、少ない標本に偏った戦略になってしまうので注意しましょう。
ロット数に関してもトレード日記に書いておきましょう。
エントリーするロット数にはトレーダーの欲望が反映されやすいです。
負け続きだった時や勝ち続きだった時はどうしても冷静さを失ってしまい、ルールを無視したロット数をエントリーしてしまったりします。
どのようなルールでロット数を決定したのかは明確に説明できる必要があります。
もしきちんとした説明ができないようであれば、感情的なトレードをしている可能性が高いです。
ブロック②:エントリーポイント、エントリー根拠と心情、利確と損切りの位置
エントリーしたポイントとその根拠はトレード日記に必ず書くようにしましょう。
エントリーした根拠をしっかりと説明できないのであれば、ポジポジ病に陥っている可能性が高いです。
また、エントリーの根拠とする自分の手法については、あらかじめ細かく決定しておくことをオススメします。
自分の使用する手法が定まっていない状態でトレード日記を書いたとしてもデータがバラバラなので、正確な分析を行うことができません。
したがって、そもそも自分がトレードで使用する手法が決まっていない場合は、トレードを始める前に自分が使用する手法をデモトレードなどで確立させることから始めてください。
また、エントリーした際の正直な心情をトレード日記に書き起こすことも重要です。
エントリーしたが、負け続きなので損をしそうで怖い。
夜遅くにエントリーしたため、眠い。
などその時に思っていることを正直に書くようにしてください。
エントリーした時の心情を日記に書いていくことで、トレードに対する姿勢や手法を見直すための判断材料になります。
エントリー直後に毎回不安な気持ちになるのであれば、もしかしたらその手法は自分とあまりマッチしていないかもしれません。
利確損切りについてもトレード日記に書いておく必要があります。
具体的には、あらかじめ決めていた損切り又は利確ラインはどこで、実際に損切り又は利確したラインはどこだったのかを書く必要があります。
この作業をすることによって使用している手法のリスクリワードを知ることができます。
リスクリワードとは、トレードで晒すリスクに対してどのくらいの利益を見込めるかを表した数値で、手法の収益性を示す一つの指標になっています。
USD/JPYをロングした時に、損切りラインをエントリーポイントから10pips下に設定しているとします。
レートがエントリーポイントから25pips上に動いた時に、インジケーターが利確のサインを出したので利確しました。
この時のリスクリワード比率は
25pips/10pips=2.5
になります。
リスクリワード2.5というのは、1回のトレードに勝つことで許容損失の2.5倍の利益を期待できるということです。
リスクリワードが1を下回る場合は1回のトレードに勝てたとしても、損失以上の利益が期待できないことになってしまうので、トレードをすればするほど損をする計算になります。
このように利確と損切りのデータをトレード日記で集めておくことで、使用している手法のリスクリワードがどのくらいかを知ることができます。
ブロック③:トレードの反省
トレードの反省はトレード日記を書く上でもっとも肝になる部分です。
なぜならトレードごとの反省を行うことで、自分がもっとも犯しやすいミスを把握することができ、その対策を講じることができるからです。
例えばエントリーまでは冷静に行えたものの、あらかじめ決めた逆指値に到達する前に焦って損切りしてしまったとします。
今回だけではなく、前回にも同じようなミスを繰り返していたとしたら、トレード日記から損切りを焦ってしまう原因を究明することができます。
このようにトレード日記でトレードの反省をしていたことで、改善点を発見できることがあります。
ブロック④:チャートの写真
最後に、エントリー時点と決済時点のチャートを保存しておくことをオススメします。
トレードごとのチャートを保存しておくことによって、現在使用しているトレード手法で負けやすいチャートパターンを確認できるかもしれません。
チャートの保存方法は「手書き」や「スクリーンショット」などあらゆる選択肢が可能ですが、スクリーンショットならチャートをまとめて保存できるのでオススメです。
トレード日記を書く際の3つの注意点

ここまでトレード日記の書き方について見てきました。
トレード日記の書き方や構成には決まりはないので、自分なりのトレード日記の形を見つけてください。
ただし以下の3つの注意点は、トレード日記を書くうえで欠かせないことなので覚えておいてください。
- バックテスト済みの手法を用いる
- 必ず毎回トレード日記を書く
- トレード日記を書くことを目的化しない
注意点①:バックテスト済みの手法を用いる
トレード日記を書く際は、バックテストが済んでいる手法を用いるようにしてください。
トレード日記に記録している手法がバラバラだと手法ごとのデータが集まりにくく、トレードの改善に直結しないことが理由として挙げられます。
そもそもバックテストとは過去検証とも呼ばれ、自分が用いる手法が過去数年の相場でどのようなパフォーマンスを上げたのかのデータをとる作業です。
一方でトレード日記を書くことは、バックテストした手法が現在の相場でどのようなパフォーマンスを上げているのかデータをとる作業です。
過去にどれだけ良い成績を叩き出した手法であっても、現在の相場で通用しなければ意味がありません。
したがって、トレード日記ではバックテスト済みの手法を使用することが大前提になってきます。
注意点②:必ず毎回トレード日記を書く
トレード日記は一貫して書き続ける必要があります。
なぜなら全てのトレードに対して日記をつけなければ、都合の良いデータばかりが集まってしまう可能性があるからです。
トレードに勝って気分が良い時だけにトレード日記を書いてしまうと、トレード手法の改善点が見えてきません。
むしろ、トレードに負けた時にこそトレードの詳細な記録や心理状態をトレード日記に書く姿勢が大切です。
取引プラットフォームによっては、トレードのリスクリワードや勝率などを詳細に記録してくれる機能があるので、有効活用しましょう。
ただし、トレーダーの内面についてのデータを取れるのは自分だけです。
トレード日記を書くのを習慣化して、日々トレードの改善をしていきましょう。
注意点③:トレード日記を書くことを目的化しない
トレード日記を書くことを目的化するのではなく、トレード日記の内容を分析して自分の手法を改良していきましょう。
トレード日記を書くことだけでもポジポジ病を治せるなどの効果はありますが、トレード日記の見直しを行わない限り、トレード手法は一向に良くなりません。
トレード手法を改善する際は、PDCAサイクルを意識すると良いです。
PDCAとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
の頭文字をとった単語であり、効率的に物事を改善していくときに使われる思考法です。
これをトレードに当てはめると、
- Plan→トレード計画を立てる
- Do→手法を実際に運用する
- Check→トレード日記をもとに手法の分析をする
- Action→分析をもとに手法を改善し、過去検証も行う
このようになります。
トレード手法に関してPDCAサイクルを回していく上で、トレード日記の存在は欠かせません。
ただし手法のカーブフィッティング(過剰最適化)には気をつける必要があります。
カーブフィッティングとは、ある特定の相場環境でのみ高い勝率が出せるように手法が設計されていることをいいます。
例えば、2021年1月から2月のUSD/JPYの4時間足を分析した結果100SMAで何度も反発していることがわかりました。
ここで、自分のトレード手法を以下のように改善したとします。
①4時間足の25SMA、50SMA、100SMAがパーフェクトオーダー
②レートが4時間足の100SMAにタッチ
①と②を同時に満たした時にエントリー
では、もう少し進んだチャートを見てみましょう。

この時期の相場では100SMAがサポートとして全く効いていませんでした。
このようにPDCAサイクルを回し過ぎてしまったために、特定の相場だけで勝てるような手法を作り上げてしまうこともあります。
手法のカーブフィッティングを防ぐためには、出来るだけ多くの標本から分析を行うことが大切です。
トレード日記から手法を分析すること自体は良いのですが、十分なトレードサンプルが集まってから手法の改良のためのPDCAを回すことをオススメします。
まとめ:いますぐ聖杯探しをやめてトレード日記を書こう
ここまでトレード日記のメリット、書き方、注意点について解説してきました。
重要なのはトレード日記を書くこと自体ではなく、トレード日記を通して自分の内側や手法を徹底的に分析することです。
FXに必ず勝てる手法、つまり聖杯はありません。
それにもかかわらず、勝てる手法を外側に求めて次から次へとトレード手法を変えている人が多いのが現状です。
この記事をきっかけに今日からでもトレード日記を書き始め、トレーダーとしての新たな一歩を踏み出しましょう。
コメント コメント 0