ロシアでは『部分的動員令』の発表を受け、反戦デモ(反動員デモ)や国外脱出が相次いでいます。
中国もロシアとの和平交渉に動いており、ロシア政府にとっては難しい展開となっています。
それでは先週(9月19日~9月23日)のドル円相場の動きを振り返ってみます。
ドル円相場の振り返り−ファンダメンタルズ分析

ポンド(緑)、スイスフラン(茶)
ドル
住宅関連指標は
➊NAHB住宅市場指数は9か月連続の低下
❹住宅着工件数は予想値を上回るも、先行指標となる着工許可件数が大幅に低下
❺中古住宅販売件数も予想は上回るも7か月連続の減少
となっています。
21日パウエルFRB議長は
「米住宅市場が調整を経る公算が大きい」
「住宅価格と家賃が一段と大きく減速するには時間を要する」
と指摘しています。借り入れコストの急上昇と物件価格の高止まりが主因です。
❻FOMCは予想通り75pbの利上げを行いました。
注目のドットチャートでは、2022年、2023年が上方修正され、ややタカ派的と受け止められました。
12月に50pb、3月に25pbの利上げが予想されます。
❼FOMC後のパウエルFRB議長の発言は、ジャクソンホール会議と同様のものとなっています。
⓫23日に英国で新政権による大幅減税が発表されましたが、財源不足への懸念から通貨、株式市場、債券市場のトリプル安となっています。
その結果、ドルが大きく買われました。
今週はブラックアウト明けのFRBメンバーの発言に注意、そしてリスクオフのドル買いを注視していきたいと思います。
円

ついに為替介入がありました。
22日に金融緩和の据え置きを決め、黒田日銀総裁が「2~3年金利を引き上げることは無い」と発言しました。
以後、じり高となり145円80銭程度に上がったところで介入しています。
1時間で約5円の下落となり、単独介入としては大きな下落となりました。同時にスイスフランが大きく売られています。
今回の介入は、懸念されていたドル円の上昇スピードに対し、一定の効果があったのではないかと思われます。
ドル円は、145円以上では売りづらい状況となりました。
しかし、引き続き日米の金利差が意識されると考えられ、また、ドル一強体制がリスク回避の受け皿になっていますので、中長期的には上目線であると考えています。
ユーロ
ウクライナの攻勢を受け、❷プーチン大統領が「部分的動員令」を発動しました。
この発表に対しては、ロシア国内からも反発が強く、各地でデモが起こっています。
現在のロシア政府に反対するデモには重い代償が必要なのですが、それだけ強い反発があると考えられます。
また、ロシア編入の住民投票が行われると発表があり、懸念からユーロ下落しています。
住民投票はすでに可決の見通しです。
編入された地域に対し、ウクライナが反撃した場合、核兵器の使用も示唆されており、緊張が高まっています。
ユーロ、ポンドとも強い下落相場となっており、ネガティブニュースに反応しやすい地合いとなります。
豪ドル
❷RBA議事録ではハト派発言があり、豪ドルは下落します。
その後、ウクライナ情勢の悪化、エネルギー価格の続落、中国経済の減速などが重しとなり、豪ドルは下落を続けています。
オーストラリアの経済自体は悪くないのですが、中国経済と関わり合いが強い事と、資源国通貨という事で、世界情勢の影響を強く受けます。
今週も各国の株式市場の動向からリスクオン、オフの展開を見極めていきましょう。
今週の重要指標・発言
時間 | イベント |
---|---|
26日(月)時刻未定 | 日本 黒田日銀総裁の発言 |
23:00 | 米国 コリンズ米ボストン連銀総裁の発言 |
27:35 | NZ オアRBZD総裁の発言 |
29:00 | 米国 メスタ―米クリーブランド連銀総裁の発言 |
9/27(火)20:30 | 米国 パウエルFRB議長の発言 |
21:30 | 米国 8月耐久財受注 |
22:00 | 米国 コンファレンスボード消費者信頼感指数 |
22:55 | 米国 ブラード米セントルイス連銀総裁の発言 |
23:00 | 米国 8月新築住宅販売件数 |
9/27(火)20:30 | 米国 パウエルFRB議長の発言 |
21:30 | 米国 8月耐久財受注 |
22:00 | 米国 コンファレンスボード消費者信頼感指数 |
22:55 | 米国 ブラード米セントルイス連銀総裁の発言 |
23:00 | 米国 8月新築住宅販売件数 |
09/28 (水)08:50 | 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨 |
10:30 | 豪 8月小売売上高 |
16:15 | 欧州 ラガルドECB総裁の発言 |
21:00 | ドイツ 9月消費者物価指数(CPI・速報値) |
21:30 | 米国 8月卸売在庫(速報値) |
23:10 | 米国 ブラード米セントルイス連銀総裁の発言 |
23:10 | 米国 パウエルFRB議長の発言 |
24:00 | 米国 ボウマンFRB理事の発言 |
9/29(木) 21:30 | 米国 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP・確定値) |
22:00 | NZ オアRBZD総裁の発言 |
22:30 | 米国 ブラード米セントルイス連銀総裁の発言 |
26:00 | 米国 メスタ―米クリーブランド連銀総裁の発言 |
9/30(金) 8:30 | 日本 8月失業率 |
10:30 | 中国 9月製造業購買担当者景気指数(PMI) |
10:45 | 中国 9月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) |
15:00 | 英国 4-6月期四半期国内総生産(GDP・改定値) |
18:00 | 欧州 9月消費者物価指数(HICP・速報値) |
21:30 | 米国 ISM非製造業景況感指数 |
21:30 | 米国 8月個人消費支出(PCE) |
22:00 | 米国 8月個人消費支出(PCEデフレーター) |
23:00 | 米国 9月ミシガン大学消費者態度指数・確報値 |
24:00 | 米国ボウマンFRB理事の発言 |
相場分析−テクニカル分析−
本日は以下のテクニカルを中心に分析していきます。
・節目を使用した環境認識(ドル円)
節目を使用した環境認識(ドル円)


ドル円は、ブラックアウト明けのFRBメンバーの発言や本邦当局の口先介入を考えると、
短期トレードに徹するのが良いと考えています。
- 最も意識されそうな、介入後のサポレジ転換ラインです。
現在は、やや上抜けていますが、今後ピンポイントで反応する事もあるかと思います。引き続き注視です。 - 現在の上げに関しては、赤のラインを上抜けた圧力が強そうです。
下がってきた場合はこのラインで反発するか、このラインを割り込むかに注目します。
出来高分析との組合せでは、①のラインより節目として強いです。 - 145円ラインです。一度上抜けていますが、ヘッド&ショルダーの肩の原理で上値抵抗線になる事も多いので、注視しましょう。
本日のトレード方針
本日は豪ドル円で売買方針を示していきます。
アクション | 価格 |
---|---|
エントリーポイント(売り逆指値) | 90.502 |
利益確定ポイント(T/P) | 85.670 |
損切りポイント(S/L) | 98.571 |


高値圏でウエッジが出現しているので、逆指値で売りを狙います。
週足のトレードになりますので、環境認識として活用頂くと良いかと思います。
利益確定は、フィボナッチ・ターゲットと2点形成のサポートラインの重複ポイントを選択しています。
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